日本ではたらくなら、職場でのマナーや日本ならではのビジネス文化を知っておくことが大切です。特に、日本のビジネスマナーは細かいルールが多く、最初はとまどうこともあるかもしれません。しかし、基本的なビジネスマナーを身につけることで職場での印象が良くなり、仕事もスムーズに進みます。特に、あいさつや時間の管理、敬語の使い方は、日本の職場ではとても重要です。
この記事では、日本の職場で求められるビジネスマナーを分かりやすく紹介します。
目次
日本のビジネスマナーの基本

あいさつする
日本の職場では、あいさつがとても大切です。あいさつをしないと、「やる気がない」「礼儀がない」と思われてしまうことがあります。しっかりと声に出して、自分からあいさつするようにしましょう。ただ言うだけではなく、相手の目を見て笑顔であいさつするとより良い印象です。
あいさつは、場面によって使い分けられるようにしておきましょう。
ビジネスでよく使うあいさつ
- 出勤したとき:おはようございます
- 社内の人とすれ違うとき:おつかれさまです
- 帰るとき:おさきにしつれいします
- 取引先を訪問したとき:おせわになっております
日本のあいさつについてもっと知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください!
日本語のあいさつを覚えよう!基本からビジネスで使えるあいさつ
敬語を使う
日本では、上司やお客さまに対して敬語を使って話すことが一般的です。特に、ホテルや旅館ではたらく場合はていねいな接客が求められるため、正しい敬語を使えるようになることが理想です。敬語を正しく使うことでお客さまに安心感を与え、良い印象にもつながります。
敬語には、大きく分けて「そんけい語」「けんじょう語」「ていねい語」の3つがあります。
そんけい語:目上の人やお客さまの行動・状態を立てて、敬意を示す表現です。
- する→なさる、される
- 来る→いらっしゃる
- 見る→ごらんになる
- 言う→おっしゃる
けんじょう語:自分がへり下ることで相手を高める表現です。
- する→いたす、させていただく
- 来る→まいる
- 見る→拝見する
- 言う→申し上げる
ていねい語:相手や内容にかかわらず、文の語尾を「です」「ます」にして全体的にていねいな印象を与える表現です。
- する→します
- 来る→来ます
- 見る→見ます
- 言う→言います
また、ビジネスでは、日常で使う言葉でも別の言葉で言いかえることが求められます。
言いかえ例
- すみません→申し訳ありません
- 分かりました→承知しました
- できません→いたしかねます
- どうですか→いかがですか
- 大丈夫ですか→よろしいですか
時間を守る
日本では、時間を守ることがとても重要です。始業時間が9時の場合、9時ぴったりに着くのではなく、5〜10分前には職場に着いて仕事を始める準備をしておくようにしましょう。会議やアポイントがある場合も、約束の時間の5分前には席についていることが理想とされています。また、書類などの提出期限を守ることも大切です。もし予定より遅れそうな場合は、早めに上司に遅れることを報告しましょう。日本では「時間を守ること=信頼につながる」と考えられているため、どのような場面でも時間を意識することが大切です。
座る位置に気を付ける
日本のビジネスシーンでは、座る位置にもルールがあります。商談や会議、食事など、上司や取引先の方がいる場合は、座る位置に気を付けましょう。基本的には、入り口から一番遠い席が「上座」とされ、役職が高い人やお客さまが座ります。反対に、入り口に一番近い席は「下座」とされ、部下や新人が座ることが一般的です。どの席に座るか迷ったら、まずは入り口に一番近い席に座るようにしましょう。

身だしなみを整える
日本の職場では、清潔感のある身だしなみが求められます。
服装はスーツやオフィスカジュアルが一般的で、派手な色やデザインの服、大きなアクセサリーは避けたほうが良いとされています。シャツやネクタイはシワがないようにし、靴もきれいに磨いておくことが大切です。髪型はねぐせがないように整え、長い場合は結ぶなどして清潔感を意識しましょう。また、爪が伸びすぎていないか、香水が強すぎないかなど、細かい部分にも気を配る必要があります。
このように、日本ではシンプルで清潔な身だしなみが基本とされているため、相手に不快感を与えないようにすることが大切です。身だしなみが整っていると、仕事に対する姿勢も評価されやすくなります。
「報連相」をこまめに行う
「報連相」とは、「報告」「連絡」「相談」の3つを指し、仕事をスムーズに進めるために欠かせないものです。ホテルのような接客業では、スタッフ同士が正しく情報を共有することで、お客様により良いサービスを提供できます。
- 報告:主に部下が上司に、仕事の進み具合や結果を伝えることです。
- 連絡:上司だけでなく、同僚や他の部署の人などに必要な情報を伝えることです。
- 相談:問題が発生したときや自分だけで解決できないことがあるときに、上司や同僚にアドバイスを求めることです。
報連相をしっかり行うことでミスを防ぎ、チームでスムーズに仕事を進められます。日本の職場では「何かあったらすぐに報告・連絡・相談する」ことが大切とされているため、常に意識しておくようにしましょう。
名刺交換は目下の人からわたす

日本では、立場が下の人から名刺をわたすことがルールとされています。
名刺をわたすときは、両手で名刺を持ち、相手の目を見ながら軽くおじぎします。「○○会社の△△と申します。よろしくお願いいたします。」と自己紹介を添えると、よりていねいな印象になります。受け取る側も両手で受け取り、「ちょうだいいたします」と一言添えることがマナーです。
日本特有のビジネスマナーや文化は他にも!

この他にも、日本にはさまざまなビジネスマナーや文化があります。
下の名前で呼ばない
親しい友人同士であれば下の名前で呼び合いますが、日本のビジネスシーンでは、下の名前では呼ばず、相手の苗字に「さん」を付けて呼ぶことが基本です。企業によっては、○○部長というように、苗字に役職名を付けて呼ぶこともあります。相手がお客さまや取引先の場合は、苗字に「さま」を付けて呼びます。
ボディタッチやボディランゲージは控える
日本では、ビジネスに限らず、人と触れ合う習慣がほとんどありません。相手の体に触れることは避け、握手は求められたときのみ応じましょう。ボディランゲージもビジネスではあまり使われず、同じ動きでも国によって異なる意味を持つ場合もあるので、誤解を与えないためにも使わないほうが安心です。
直接的な表現はしない
日本では、言葉を選ぶことも相手への気づかいと考えられており、言いにくいことを伝えるときは遠回しな表現を使うことがあります。特にビジネスシーンでは、直接的すぎる言葉は相手に失礼だと受け取られることもあるため、慎重に言葉を選ぶことが大切です。たとえば、「できません」とはっきり言うよりも、「少しむずかしいかもしれません」といった表現にするとやわらかい印象になります。お客様に対しても、してほしくないことを「やめてください」とは言わずに、「お控えください」「ご遠慮ください」と言うほうが角が立ちません。また、「恐れ入りますが」「よろしければ」といった、本題の前に付け加えるクッション言葉も活用すると、こちらの気遣いが伝わりやすくなります。
このように、細かいマナーはまだまだあります。全てを覚えなくても、しっかり基本を押さえて相手に不快な思いをさせないようにする気づかいが大切です。はたらきながら少しずつ学んでいきましょう。
日本のビジネスマナーを守り信頼関係を築こう

今回は、日本のビジネスマナーについてご紹介しました。日本にはさまざまなビジネスマナーがありますが、しっかり基本を押さておけば問題なくはたらくことができます。最初はむずかしいと感じるかもしれませんが、あいさつや時間を守るなど、簡単なことから意識してみましょう。マナーを守ることで良い印象を与え、職場での信頼関係を築きやすくなります。
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