資格外活動許可とは?要件や申請手順を紹介!ホテル・旅館の外国人採用

資格外活動許可

人手不足が続くホテル業界では、留学生のアルバイトをはじめとする外国人材の活用が広がっています。その際に理解しておきたいものが「資格外活動許可」という制度です。

在留資格ごとに認められている活動内容は異なるため、許可を得ずに就労させてしまうと、不法就労につながる可能性があります。企業側にも責任が問われるため、制度の正確な理解は欠かせません。

この記事では、資格外活動許可の基本的な仕組みや要件、種類、申請の流れについて分かりやすく解説します。

資格外活動許可とは


資格外活動許可とは、外国人が持っている在留資格で認められている活動の範囲を超えて、別の仕事を行うために必要となる許可のことです。

日本に在留する外国人は、それぞれの在留資格ごとに行える活動内容が定められています。たとえば、在留資格「留学」の場合は学業が目的であるため、原則として就労は認められていません。しかし、一定の条件を満たし、資格外活動許可を取得すれば、アルバイトとして働くことが可能となります。

ホテル業界では、以下のようなケースで資格外活動許可の必要性の有無が関わってきます。

  • 留学生をフロントやレストランでアルバイトとして雇用する場合
  • 本業とは別に副業を希望する外国人スタッフを受け入れる場合

資格外活動許可を得ずに就労させてしまうと、外国人本人だけでなく、企業側も不法就労助長罪に問われる可能性があります。そのため、在留カードの確認とあわせて、資格外活動許可の有無や内容を正しく把握することが重要です。

なお、特定技能や技術・人文知識・国際業務、定住者や永住者といった在留資格では、そもそも就労が認められている範囲が異なります。アルバイト雇用だけでなく、長期的な戦力として外国人採用を検討するのであれば、在留資格の選択そのものを見直すことも一つの方法です。
ホテルの現場で人材不足が続くなか、どの在留資格で外国人を採用するのかという視点を持つことが、安定した雇用につながります。

以下の記事では、それぞれの在留資格について詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
特定技能とはどんな在留資格なのか分かりやすく解説!ホテル・旅館の外国人採用
技術・人文知識・国際業務(技人国)とは?ホテルでできる仕事や職種を徹底解説!
在留資格「定住者」とは?永住者との違いや雇用時の注意点を解説 ホテル・旅館の外国人採用
永住権とは?取得条件や申請手続きについて分かりやすく解説!ホテル・旅館の外国人採用

資格外活動許可が不要なケース

資格外活動許可は、すべての就労に必要というわけではありません。
以下のようなケースでは、原則として許可は不要です。

  • 就労制限のない在留資格を持つ場合
  • 在留資格の範囲内の活動を行う場合
  • 報酬の伴わないボランティアを行う場合
  • 家族や知人の依頼で行った翻訳業務など一時的な活動の場合
  • 大学が単位として認めるインターンシップや自己資金を運用する場合

たとえば、永住者や定住者、日本人の配偶者等など、就労制限のない在留資格を持つ外国人は、資格外活動許可を取得する必要がありません。ホテル業界で長期的に雇用を検討する場合は、このような在留資格の人材は人手不足の解消につながります。

また、すでに持っている在留資格の範囲内で活動する場合も、資格外活動許可は不要です。
たとえば、技術・人文知識・国際業務の在留資格を持ち、外国人の接客をしながらフロントとして働く外国人が、別のホテルで通訳業務に従事する場合、資格外活動許可は必要ありません。

ホテル業界に限らず、資格外活動許可が必要かどうかの判断を誤ると、思わぬリスクにつながります。採用時には在留資格の種類と活動内容を照らし合わせ、慎重に確認することが大切です。

資格外活動許可の要件


資格外活動許可は、申請すれば必ず認められるものではなく、出入国在留管理庁が提示する基準を満たす必要があります。

主な要件は、以下のとおりです。

  • 現在の在留資格に基づく活動を妨げないこと
  • 現在の在留資格に基づく活動を行っていること
  • 法令で禁止されている業務に従事しないこと(風俗営業など)
  • 所属機関がその活動を許可・同意していること
  • 素行が不良でないこと
    (犯罪歴がないことや納税義務を果たしていることなど)
  • 収容令書の発付または意見聴取通知書の送達・通知を受けていないこと

(参考:出入国在留管理庁「資格外活動許可について」)

資格外活動許可は、現在持っている在留資格に基づく活動を妨げないことが大前提です。留学生の場合、学業が本来の活動であるため、アルバイトが原因で授業への出席に支障が出るような状況は認められません。ホテル側も、繁忙期だからといって無理なシフトを組まない配慮が求められます。

資格外活動許可の要件は、採用前の確認だけでなく、雇用後の労務管理にも直結します。ホテル業界で外国人を受け入れる際には、制度の理解と適切な管理体制が欠かせません。

資格外活動許可の種類


資格外活動許可には、「包括許可」と「個別許可」の2種類があります。
ここでは、それぞれどのようなものなのか解説します。

包括許可

包括許可とは、一定の条件のもとで幅広い就労を認める許可です。

主に留学や家族滞在の在留資格を持つ外国人に対して認められるもので、許可が降りると在留カードの裏面に「資格外活動許可」と記載されます。原則として週28時間以内であれば、職種を限定せずに働くことが可能です。留学生の場合、夏休みなどの長期休暇には1日8時間・週40時間まで認められることもあります。

包括許可の特徴は、勤務先が一社に限定されないことです。複数のアルバイトを掛け持ちすることも可能ですが、勤務時間は合算して週28時間以内に収めなければなりません。
1分でも超過すると不法就労とみなされ、本人だけでなくホテル側も罰則の対象となることがあるため、他社での勤務状況を含めた厳密なシフト管理が不可欠です。

個別許可

個別許可とは、特定の業務内容や勤務先を指定して認められる許可です。
包括許可のように幅広く認められるものではなく、「どの会社で、どのような業務を行うか」が具体的に審査されます。

たとえば、本業が技術・人文知識・国際業務の在留資格を持つ外国人が、副業としてホテルでアルバイトを希望する場合などが該当します。この場合、許可された勤務先と業務内容以外で働くことはできません。
在留カードの裏面には、活動内容や勤務先が個別に記載されます。

個別許可の場合、勤務内容や勤務先が限定されているため、採用時には記載内容と実際の業務内容が一致しているかを必ず確認する必要があります。

資格外活動許可の申請について


資格外活動許可の申請は、原則として、外国人本人が居住地を管轄する地方出入国在留管理局で行います。

ただし、勤務内容の説明や書類の準備にあたっては、企業側の協力が必要となるケースもあります。特に個別許可の場合は、業務内容を具体的に示す資料が求められることがあります。

ここでは、申請に必要な書類や手順を見ていきましょう。

必要書類

申請に必要な書類は、許可の種類や在留資格によって異なりますが、一般的には以下のようなものが求められます。

  • 資格外活動許可申請書
  • 在留カード(窓口で提示)
  • パスポートまたは在留資格証明書(窓口で提示)
  • 申請に係る活動の内容を明らかにする書類
    (雇用契約書のコピーなど)

(参考:出入国在留管理庁「資格外活動許可申請」)

申請手順

申請の基本的な流れは以下のとおりです。

  1. 必要書類を準備する
  2. 地方出入国在留管理局へ申請する
  3. 審査を経て許可が下りる
  4. 在留カード裏面に許可内容が記載される

重要なのは、許可が下りる前に働き始めることはできないということです。「申請中だから大丈夫」という認識は誤りであり、許可前に就労させてしまうと、不法就労となる可能性があります。

ホテル業界では、繁忙期に急いで人材を確保したい場面もあります。しかし、資格外活動許可は必ず正式な許可を確認してから勤務を開始させることが原則です。審査にかかる期間は2週間〜2か月とされているため、余裕を持って準備と申請を進めていきましょう。

就労前に資格外活動許可の確認を忘れずに


今回は、資格外活動許可について紹介しました。

資格外活動許可とは、本来の在留資格で認められている活動範囲を超えて就労するために必要な許可です。
特に留学生アルバイトを受け入れるホテルでは、時間制限や業務内容の確認を徹底することが重要です。在留カードの裏面まで確認する習慣をつけることで、不法就労のリスクを防ぐことができます。

一方で、長期的な人材確保を考えるのであれば、資格外活動許可に頼るアルバイト雇用だけでなく、特定技能や技術・人文知識・国際業務、定住者・永住者といった就労可能な在留資格での採用も有効です。安定した雇用体制を築くうえでは、在留資格の選択そのものが重要な判断となります。

ホテル業界での外国人採用を成功させるためには、制度理解と適切な採用戦略の両立が欠かせません。自社に合った在留資格や採用方法を検討し、安心できる雇用環境を整えていきましょう。

バリプラGlobalでは、登録支援機関として、企業様の外国人雇用をサポートします。
ホテル・旅館に特化した外国人材紹介も行っているので、外国人の受け入れでお悩みの企業様は、ぜひお気軽にご相談ください。詳しくは以下のリンクからご覧いただけます。
ホテル・旅館に特化した海外人材紹介 バリプラGlobal

在留資格 取り消し
在留資格は取り消しされる?原因とその後の対応は?ホテル・旅館の外国人採用
外国人が日本で生活・就労するためには、活動内容に適した在留資格が必要です。しかし、一定の事由に該当すると、すでに取得している在留資格が…
入管とは
出入国在留管理庁(入管)とは?主な役割や手続きについて解説!ホテル・旅館の外国人採用
入管とは、外国人の出入国や日本での在留を管理する行政機関です。正式には「出入国在留管理庁」といい、在留資格の審査や更新、在留カードの管理などを通じて…

関連記事

  1. ビザ 在留資格 違い

    ビザ(査証)と在留資格の違いは?よくある誤解を徹底解説!ホテル・旅館の外国人採用

  2. 技人国 職種 ホテル

    技術・人文知識・国際業務(技人国)とは?ホテルでできる仕事や職種を徹底解説!

  3. 特定技能 1号 2号 違い

    特定技能1号と2号は何が違う?7つの違いを徹底比較!ホテル・旅館の外国人採用

  4. 特定技能 外食業

    特定技能「外食業」とは?ホテル・旅館の外国人採用

  5. 特別永住者 永住者 違い

    「特別永住者」とは?永住者や帰化との違いを分かりやすく解説!ホテル・旅館の外国人採用

  6. 入管とは

    出入国在留管理庁(入管)とは?主な役割や手続きについて解説!ホテル・旅館の外国人採用