「特定技能」と「技能実習」の違いとは?ホテル・旅館の外国人採用

特定技能 技能実習 違い

特定技能と技能実習は、どちらも外国人が日本で働くために必要な「在留資格」です。名称も似ているために混同されてしまいがちですが、それぞれ目的や就業できる職種、作業などに違いがあります。特にホテル・旅館などの宿泊業や外食業において外国人材の採用を検討している企業は、それぞれの制度を正しく理解することが重要です。

この記事では、これからホテルや旅館での外国人材の採用を考えている企業向けに、特定技能と技能実習の7つの違いを解説します。

特定技能と技能実習の7つの違い


特定技能 技能実習 違い

特定技能と技能実習の7つの違いを見ていきましょう。

違い①制度の目的

特定技能とは、外国人が日本で働くための在留資格の一つであり、2019年4月に創設されました。日本国内で深刻化する人手不足を解消するために、特定の分野で即戦力となる外国人材を確保することが目的です。たとえば、介護や建設業、外食業など、日本人だけでは十分な労働力を確保できない業種において、一定の技能や知識を持った外国人を受け入れることで、業界全体の持続的な発展を支えています。

特定技能には1号と2号があり、それぞれ必要とされる能力や条件が異なります。

特定技能1号:働く特定分野における基礎的な知識と技能を持つ外国人の方向け
特定技能2号:働く特定分野における熟練した知識や技能、管理能力を持つ外国人の方向け

一方で技能実習とは、実習生に日本の知識や技術を習得してもらうための在留資格です。自国では習得が難しい技術や知識を日本で学び、自国に持ち帰って広めてもらうための国際貢献を目的として設けられました。特に、発展途上国の人材育成に重点を置いており、日本での経験を母国の経済・産業発展に活かしてもらうことが期待されています。

このように、特定技能は「日本国内の人手不足を解消するための制度」、技能実習は「国際貢献の一環の制度」であり、それぞれ全く異なる目的があります。

違い②就業可能な業務・職種

特定技能と技能実習は、それぞれ就業できる業務や職種に大きな違いがあります。

特定技能1号特定技能2号
介護
ビルクリーニング
工業製品製造業
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
自動車運送業
鉄道
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
林業
木材産業
ビルクリーニング
工業製品製造業
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業

参考:法務省「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」「特定技能2号の各分野の仕事内容(Job Description)

特定技能は、1号では16分野、2号では11分野の業界で働くことができます。これらの業種は、日本国内で慢性的に人手不足が続いている分野であり、特定技能の外国人労働者が必要とされています。特定技能の外国人は、業務に必要な知識や技術を持っていることが前提となり、試験に合格することで就労が認められます。宿泊業・外食業での就業においては、以下の業務を担当できます。

宿泊業:フロント、接客、企画・広報、レストランサービスなど
外食業:調理、接客、店舗運営など

技能実習では、農業、建設、食品製造、縫製など、全部で91種の職業があります。宿泊業・外食業での実習も可能ですが、実習生は技術を学ぶことが目的のため、実際の業務は基礎的な作業から始めることが一般的です。企業側にも、実習生の習熟度に応じて業務を段階的にステップアップさせることが求められます。即戦力を求める場合は、特定技能の受け入れが適していると言えます。

技能実習
農業・林業(3職種7作業)
漁業(2職種10作業)
建設(22職種33作業)
食品製造(11職種19作業)
繊維・衣服(13業種22作業)
機械・金属(17業種34作業)
その他(21業種38作業)
社内検定型の職種・作業(2職種4作業)


参考:厚生労働省「技能実習制度 移行対象職種・作業一覧(91職種167作業)

ここで紹介したように、特定技能と技能実習は、それぞれ就労可能な分野が定められています。外国人材や実習生の受け入れを考えている場合は、受け入れ対象の職種や作業内容に該当しているか事前に確認しておきましょう。宿泊・外食業は、2号までの実習となることに注意が必要です。

違い③在留期間

特定技能と技能実習では、在留できる期間も異なります。

特定技能1号では、在留資格の更新によって最大5年まで在留期間を延長できます。2号に移行すれば、更新回数の制限がなくなるため、実質無期限で日本への滞在が可能です。

一方で技能実習は、実技や日本語の筆記試験に合格して2号、3号へと移行することで最大5年の在留が認められています。5年を超えて日本に滞在する場合は、特定技能などの他の在留資格に移行する必要があります。技能実習から特定技能へ移行するには、「技能実習2号を良好に修了している」「技能実習の職種や作業内容と特定技能1号の業務に関連性があると認められる」といった2つの条件があります。この条件に当てはまれば技能試験と日本語試験が免除され、技能実習とは異なる業務を行う場合も、技能実習2号を良好に修了していれば日本語試験が免除されます。また、宿泊・外食業ともに技能実習3号はないため、日本で働き続けるには特定技能への移行が必須です。

違い④転職可否

特定技能では、日本人と同様に、同じ業種内であれば転職が認められています。たとえば、宿泊業の特定技能を持っていれば、別のホテルや旅館への転職が可能です。また、異なる業種や分野への転職は、就業先の分野での技能評価試験への合格が条件となります。つまり、同業種であれば試験なしで転職可能ですが、宿泊業から外食業といった異業種への転職は、外食業の技能評価試験を受験して合格しなければ転職が認められません。

特定技能:制限なし(介護・建設業は制限あり)
技能実習:制限あり(受け入れ企業の常勤職員数に応じた上限あり)

一方、技能実習では原則として転職は認められていません。技能実習の目的は就労ではなく、技術を習得することであるため、基本的に働く企業の変更はできません。例外として、実習先企業の都合によるもの(倒産など)や2号から3号への移行のタイミングに限っては、他の企業への移籍が認められることがあります。

違い⑤家族帯同の可否

家族帯同とは、母国にいる特定技能の外国人や技能実習生の家族が日本で一緒に暮らせるかどうかを指します。外国人にとっては日本で長く働くかどうかを決める重要なポイントですが、特定技能と技能実習では家族帯同の可否が異なります。

特定技能1号特定技能2号技能実習
不可配偶者・子に限り可不可

特定技能1号は家族帯同不可ですが、2号になると在留期間の制限がなくなるため、配偶者や子どもに限り、日本に呼び寄せて一緒に暮らすことが可能です。ただし、婚姻・親子関係を証明するための資料を提出し、「家族滞在」の在留資格を取得する必要があります。

これに対して技能実習は、「技術を習得して自国で活用する」ことを目的としており、実習が終われば帰国することが前提です。そのため、原則として家族を日本に呼ぶことはできません。

違い⑥受け入れ可能人数

技能実習と特定技能では、受け入れられる人数にも違いがあります。

特定技能:宿泊・外食業ともに制限なし(介護・建設業は制限あり)
技能実習:受け入れ企業の常勤職員数に応じた制限あり

技能実習では、企業の規模に応じて受け入れられる人数が決められています。実習生がしっかりと技術を学べる環境を整えるため、企業の常勤職員の数に応じて上限が設けられており、企業が希望する人数を自由に受け入れることはできません。

受け入れ企業の常勤職員数基本人数枠(実習生の受け入れ上限)
300人以上常勤職員総数の20分の1
201~300人15人
101~200人10人
51~100人6人
41~50人5人
31~40人4人
30人以下3人

反対に特定技能は、人手不足の解消を目的としており、基本的に受け入れ人数の制限がありません。そのため、企業のニーズに応じて多くの外国人材を受け入れることが可能です。ただし、介護と建設の分野では受け入れ人数の制限があります。介護は、事業所ごとの日本人などの常勤介護職員の総数を上限とし、建設は、特定技能や特定活動の在留資格を持つ外国人の合計人数が、企業の常勤職員の総数を超えてはならないと決められています。

違い⑦関わる機関

技能実習は、海外からしか実習生を受け入れられません。そのため、海外の送り出し機関と日本国内の管理団体を通じて実習生を受け入れる必要があるため、間に入る機関が多いことが特徴です。

これに対して特定技能の外国人の採用は、自社で支援できる場合は不要ですが、実際にはビザ申請の手続きや入国後の生活サポートなど、企業側の負担が非常に大きくなるため、登録支援機関に委託することも可能です。

具体的には、在留資格の申請や行政手続き、住居探し、銀行口座開設、日本での生活指導など、対応すべき項目は多岐にわたります。 言葉の壁や文化の違いもあるため、企業の負担は想像以上に大きく、スムーズな受け入れが難しいケースも少なくありません。そこで、バリプラGlobalでは、特定技能外国人の採用から入社後の定着支援までをサポートします。 企業の負担を大幅に軽減し、特定技能外国人のスムーズな受け入れを実現します。

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今回は、特定技能と技能実習の違いについて解説しました。特定技能は「日本国内の人手不足の解消すること」、技能実習は「発展途上国の実習生に日本の技術を持ち帰ってもらうこと(国際貢献の一環)」を目的としており、制定された背景や意図が異なります。その他にも、就労できる職種や作業、在留期間、受け入れ可能人数などの7つの違いがあるため、これから外国人材の採用を考えている方はそれぞれの違いをしっかり理解しておきましょう。

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